「鬼灯の冷徹」あらすじ・ネタバレ・名言・評価

「鬼灯の冷徹」あらすじ・ネタバレ・名言・評価アニメ・漫画
「鬼灯の冷徹」あらすじ・ネタバレ・名言・評価

今回は「鬼灯の冷徹」のあらすじ・ネタバレ・名言・評価をご紹介。「鬼灯の冷徹」のネタバレを含んでおりますので、まだ観られていない方はご注意ください。

鬼灯の冷徹とは?

「鬼灯の冷徹」あらすじ・ネタバレ・名言・評価

『鬼灯の冷徹』は、江口夏実による日本の漫画作品。『モーニング』にて2011年14号から2020年6号まで連載された。「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」で1位を受賞した。2020年9月時点で電子版・関連本を含めたシリーズ累計発行部数は1400万部を突破している。 出典:ウィキペディア

鬼灯の冷徹のあらすじ・ネタバレ

組織運営にサポート役はつきものだが、その中でも気苦労が絶えないのはボスの近くにいてトラブル処理役を務める人たちであろう。アメリカのトランプ大統領が現役だったとき、側近、特に報道官が何人も辞任しているが、あれも「こんな失言ばかりするボスのサポートなんかしてられっか!」ということだったからかもしれない。

通常、こういうサポート役の命運はボス次第だが、現世でそうでも地獄では逆。ここで紹介するのは、ボスの閻魔大王をほとんど脅迫しながら仕事させつつ、地獄全体の運営もこなすスーパー管理職鬼、鬼灯を主人公にした漫画『鬼灯の冷徹』である。

『鬼灯の冷徹』は地獄を舞台にした江口夏実によるコメディ漫画で、同作を元に、OVA・アニメ映画作品も制作されている人気作でもある。基本的に一話完結で、地獄で閻魔大王の第一補佐官を務める鬼、鬼灯が周辺鬼人・妖怪等とS系コメディが繰り広げる。鬼灯がいるのはあの世なので、登場するのはほぼ人間以外であり、中でもおとぎ話の登場人物が多いのがこの漫画の特徴だ。

漫画の中での地獄は八大地獄と八寒地獄の2つに分かれ、更に272の細かい部署に分かれていることになっている。この全ての管理をしているのが八代地獄の閻魔庁で、問題が発生するたびに各部署から泣きつかれて解決に乗り出すのが鬼灯である。

例えば冒頭話では、見回り中の鬼灯のところに、桃太郎一行が押しかけてきて話が通じないのでなんとかして下さい!と部下が泣きついてくる。鬼灯は「何でもかんでも私にまわしてくる」といいながらも応対に出て、一行を心体両面で叩きのめす。その後で「あなた、せっかく英雄として生きたのに、死後こんなことしてて恥ずかしくないんですか!」と桃太郎に説教をかまし、桃源郷での再就職を斡旋して立ち直らせるという、カウンセラーも脱帽な対応をしてみせるのだ。

通常補佐官は、あの世での裁判の際に亡者の罪状を読み上げたり、記録を確認したりして閻魔大王の判決を助けるのが役目である。が、この冒頭話でもわかるように、地獄でトラブルが起こるたび鬼灯は引っ張り出され、一石三鳥を狙う斜め上のやり方で解決していく。

第17話「溢れ返ってきたヨッパライ」では叫喚地獄で反乱という事件がおこり、宴会中だった鬼灯に呼び出しがかかる。叫喚地獄は飲酒による悪行により落とされた亡者が責め苦を受ける地獄で、当たり前だが酒は厳禁。だが八岐大蛇がこっそり持ち込んだ酒を奪われてしまい、酔っ払った亡者全員が一致団結して獄卒に反抗しだすという有様だ。しかし無理やり酒樽奪還したりしないのが鬼灯のすごいところである。人間心理を知り尽くした彼は「ヒトというのはどんな娯楽も義務になると苦になる」と断言し、獄卒全員にスーツ&ネクタイ姿に着替えるように指示、上司の酒が飲めないのか!という日本人が一番イヤな仕事での飲みニケーションというシュチュエーションを作り出してしまう。「嫌になるまで飲ませ続ける地獄にしてしまえ」という鬼灯の割り切りっぷりに誰もがスカッとするはずだ。

鬼灯は時に閻魔大王のサポートという範疇を超えて、外交、人事までこなしてしまう。またそのやり方もとても痛快である。

例えば、第78話の「悪魔と鬼の外道外交」では、サタンが親書で「失業中の悪魔を日本で面倒みてやって」という依頼をいきなり送りつけてくる。困惑する閻魔大王を無視して、鬼灯はひとりEU地獄に乗り込み、サタンの副官、ベルゼブブの家に殴り込みをかける。

「こっちは征服の意思を感じた瞬間に、世界中のオタクを味方につけますから」と言い放つ鬼灯にビビるベルゼブブとサタン。個人的な意見ですが、と前置きした上で「なめたマネをされると、どうにも呵責したくなります。相手が国王でも喜んで金魚草のエサにだってします」と凄む鬼灯に悪魔たちは戦意喪失するのであった。弱腰外交をいつになってもやめない日本の外務省役人に見習わせたいほどの剛腕外交である。

また人が足りない!と訴えるお迎え課(死期がきた者の魂を体から離してあの世に導く役割をする部署)の問題を解決するため、鬼灯は現世に赴き自らリクルートもしている。110111話「お迎え課の荼吉尼①②」では、死期を察知するのが上手い狐を連れた悪鬼、荼吉尼と、その荼吉尼にキャラがかぶるからどっかに行けと憤る神、全国の稲荷神社を統べる宇迦之御を前に、なんと鬼灯は地獄のために働いてもらえないかと提案する。荼吉尼には死期を悟る能力をお迎え課で使ってもらい、宇迦之御には全国にある稲荷神社を使って亡者の管理をしてもらいたい、と説得する鬼灯に、なるほどと思った二人は協力することを約束するのであった。適材適所とはまさにこのこと、性懲りなく人を増やしては派遣切りを繰り返す頭の悪い会社の人事担当がいたら読んでもらいたい話である。

そういえば鬼灯はよく現世に視察にいっていて、だからこそトラブルが発生した時に適切な解決策が出せるのだと思われる。鬼灯自身も「現地訪問もせずにアレコレ上から物を言うのは官吏の最も悪い癖」と言っていて、現世にいくと企業で営業事務をやったり遊園地でバイトをしたりと様々な経験を積んでいる。現在第一裁判長である秦広王の補佐官をしている小野篁がうっかり地獄に来てしまった際などは、彼に頼んで立場を代わってもらい、小野篁として平安時代の内裏に参内したりもしている。これもひとえに宮中の様子を視察したいがためであった。しかし行った先で雲上人たちに「子」の字を12並べた文を読めと難題を押し付けられ、すぐ回答したのはさすがの頭の良さである。ちなみに鬼灯が現世に行っている間、小野篁は閻魔大王の補佐官を務め、それが縁で死後に地獄で就職することになる。ここでもある意味リクルートしている鬼灯は凄腕の人事担当と言えよう。

できる管理職である鬼灯は、もちろん閻魔殿の部下たちにも日頃から気を配っている。しかし、元は人間で、孤児だった故に住んでいた村のいけにえにされるという過酷な過去を持つせいか、今ひとつ人情の機微には疎いようである。

例えば、部下の小鬼である唐瓜と茄子には実家に招かれるほど慕われているが、普通の家庭というものを知らないので、くつろげと言われてもどうしたらよいか分からず極端に走って二人に驚かれてしまう。バレンタインの際には、獄卒職員が浮ついて仕事のできが悪いのをなんとかしようと、節分とバレンタインを混ぜたようなカカオ豆ぶつけイベントを企画してしまう。狙いは女性職員には告白して気持ちをスッキリさせ、男性職員にはカカオ豆を鬼と亡者にぶつけることでストレス発散をさせることだったが、鬼灯は自分がモテるのを知らなかったためイベントは失敗に終わるのであった。仕事ではクールな鬼灯がプライベートでは結構抜けた様子を見せるのもこの漫画の魅力である。

この作品は地獄を舞台にしているが、地獄極楽という仏教のカテゴリーにこだわらず、天国、地獄、エジプトの冥界、ギリシャの冥府も同じように存在するものとして描いている。神社に初詣をし、葬式では寺に赴く日本人だから描ける漫画だと言えるだろう。出てくるキャラクターたちも、もともと持っていた逸話を使って笑いを取っており、例えばカチカチ山のうさぎである辛子ちゃんは、その強烈な攻撃性を買われて地獄の獄卒として日々励んでいるが、「狸」という言葉を効くたびに発狂し暴力的になってしまう。鬼灯のライバルである白鐸も神獣なのに、一度中国の黄帝に捕まって妖怪についての情報を白状させられる羽目になったことがあるが、実はそれは鬼灯にしこたま酒を飲まされて酔わされたからというオチがついている。鬼灯とキャラクターたちが織りなすエピソードが宗教色ゼロで描かれているのもこの作品を安心して楽しめる重要な要素と言えるだろう。

鬼灯の冷徹の名言

鬼灯の名言

  • あと酒ですよ酒!!大酒やめない限り腹は出続けますよ!!
  • うちはうち!よそはよそ!!
  • 鬼たるもの残酷非道でしかるべきです。容赦、慈悲、そんなものは仏に任せ、しっかりと罪を責めつくしてください
  • 温室で育った胡蝶蘭はしょせん雑草がはびこったら枯れ果てるのですよ
  • 地獄では強くてなんぼです。鬼たるもの、慈悲なんて持たないっ!
  • だから私はSではないと何度言ったらわかるんですか
  • 現世日本人が休まないから我々も休めないんです!休めよ日本人!せめてちゃんと週二で休め!!いっそドイツみたいに法作って休んでしまえ!!
  • 小さな命ってなんだ全部そうでしょう!!むしろでっかい命ってあんのか!?
  • 私はあなたに興味があります。矯正のし甲斐のある人を見ると…燃える。大人し過ぎる女性にはさして興味ありません。最初から言うことを聴く人なんて面白くも何ともない
  • バルス!!!
  • 地獄なので暴力で解決しましょうよ

茄子の名言

  • パンツを履くってモラルの基本だろ?だから俺はパンツをモラルと呼んでいるんだ

白澤の名言

  • 我以後不喝酒。清原涼我、我不喝、我不喝……(ワタシはもうのみません おゆるしください のみません のみません……)
  • 僕は女の子に一度でも”結婚しよう”なんて無責任発言したことはない。ひっぱたかれても正面きって”僕と遊んでください”って言う。それが誠実ってことだと思う

鬼灯の冷徹の評価

良い評価

良い評価

  • 地獄にまつわるあれやこれ。妖怪や神獣、伝承などを面白おかしく描いた作品。閻魔大王の第一補佐官鬼灯と、彼の周りの人々のちょっとした話でサクサク見れるからいい。中弛みしずに見終わることが出来た。新卒獄卒の唐瓜、茄子ペアが可愛いしシロの無邪気さが見てて心地よい。
  • 地獄で働く役員の話。これはコメディです。かなり笑いました。地獄には個性的な人(?)たちが沢山います。キャラクターがそれぞれ特徴的で、「地獄」をテーマにしつつこんなにも愉快な作品は珍しいと思います。
  • 世界観が和っぽくてドンピシャ。地獄舞台でギャグなのがいい。
  • 何より、主人公・鬼灯のキャラがとても良いですね。他の地獄の住民たちも、全員個性がバラバラで魅力に溢れています。神獣の癖に女好きで呑んだくれ、主人公と犬猿の仲という設定の白澤も良い。こういった作品はキャラが増えていくほどに楽しくなっていくものだと思うので、二期も視聴しましたがさらに楽しく感じました。
  • 地獄がテーマの日常系コメディというコンセプトだけで面白い作品。一次資料も記載されているほど徹底された原作の、リアルだけどコミカルな雰囲気を忠実にアニメ化している。ネタが細かいので字幕がおすすめ
  • パロディのセンスがいい。描いてる人が頭いいんだろうなって感じ。キャラみんな素敵だけど衣装が特にいい〜あとシロがひたすらかわいい。

シロの無邪気さが可愛いという意見や、コメディーとしての評価が高かったです。

悪い評価

悪い評価

  • 地獄のほのぼの日常生活。ギャグとかは、ちょっと面白いかな?ていうぐらいで、群を抜いて、ゲラゲラ笑う感じではない。キャラクターはみんな特徴的だからいい。あと、もう一歩ギャグが面白かったらいいのになあ。
  • 設定は面白いけどダレました。最後まで見たけど、終盤がちょっと。

まったり系のアニメなので、途中で刺激が少なく見るのをやめる方も。

コメント

タイトルとURLをコピーしました